摂食嚥下

摂食嚥下(せっしょくえんげ)の評価

摂食嚥下とは、物を食べる・飲み込む動作を指します。嚥下という動作には5つのステージがあります。

  • 先行期(認知期)
  • 準備期(咀嚼期)
  • 口腔期
  • 咽頭期
  • 食道期

それぞれで評価を行い、そのステージに併せた対応・指導を行います。

ミールラウンド
可能ならば食事の現場を見る"ミールラウンド"を行い、食事内容や飲食時の姿勢、飲食環境などを確認のうえで訓練・指導を行います。嚥下状態に不安がある場合は、訓練・アドバイスを行う"摂食嚥下リハビリテーション指導"も対応しています。
嚥下内視鏡検査
鼻から約3ミリの内視鏡(カメラ)を挿入し、普段の食べる・飲み込む動作を診る嚥下内視鏡検査も行っています。しっかり飲み込みが出来ているか、モニターを見ながら全員で確認することができ、食事内容やリハビリ方法などのリハビリ方針を決定するのに役立ちます。

その他の評価法として以下の方法があります。

反復唾液嚥下テスト
30秒間唾液嚥下を繰り返してもらいます。その回数にて評価します。
改定水飲みテスト
冷水3ミリリットルを口の中に入れて嚥下してもらいます。その嚥下の出来次第で評価します。
頚部聴診法
呼吸音や嚥下音の確認を行い評価します。

私たち歯科医師は食べる事に直結している仕事です。歯を治して終わりではなく、食べる事ができること、それを継続させていくことこそが責務だと考えております。これからの歯科医療、とりわけ嚥下リハに関してはケア(訓練で治す)も当たり前の様に大事ですが、それよりもキュア(今の機能を最大限に活用できるよう支援する)という発想が必要となります。
今後は私たち歯科医師が食べる事全般を診る医師=食医として機能し、患者様の食事に関して貢献できればうれしく思います。

リハビリテーション指導

摂食嚥下のリハビリは大きく分けて、「間接訓練」と「直接訓練」の2つがあります。食べ物を用いるか用いないかの違いです。

指導内容は、口腔周囲筋の訓練、のどのアイスマッサージ、呼吸訓練、食べる時の身体や頚の角度・向き、食事のとろみ、一口の量、運ぶペース、スプーンの大きさ、食器の形・色、咳の練習、投薬内容の確認など、多岐にわたります。その他にも患者様本人に合った訓練指導を行っていきます。

食事は、人生において楽しみや喜びを感じられる大切な時間です。いつまでも食事を楽しめるよう、食べる・飲み込む動作に不安がある方はお早めにご相談ください。